新規の患者さんが教えてくれました。
「以前行っていた接骨院は交通事故患者の紹介をしてくれとしつこいから辞めた。」
交通事故患者を集めようとし過ぎると、かえってマイナスかもしれません。
コミュニケーションが取れたら来た理由を聞く
はじめての患者さんが来てくれた時、どうしてうちの接骨院を選んでくれたのかなるべく聞くようにしています。
はじめましてでいきなり聞くことはありませんが、問診をして、今自分の体調や生活がどういう状況にあるのか聞くことができて、コミュニケーションが十分取れたと思ったら聞きます。
初回で十分コミュニケーションが取れなかったと思ったら、二回目か三回目に来てくれたときに、
「周りにたくさん接骨院や整体やクリニックがあるのになぜうちを選んでくれたのですか?」
と聞くようにしています。
とある腰痛患者の話
先日も新しい患者さんが来てくれたときに少し時間があったので、どういう経緯でうちの接骨院を見つけてくれたのか患者さんに聞いてみました。
この患者さんは数十年腰痛を抱える慢性腰痛の患者さんで、今回はいつもより痛みが強かったのでなんとかしてくれるところを探していたようです。
施術を済ませ、自宅での管理方法をお話して、次の患者さんまで少し時間があったので世間話をしていたのですが、
「今回の腰痛では他のところはご利用になったのですか?」と聞くと、
「はい、以前通っていた接骨院に一度行ってみました。」との答え。
さらに、
「どうして以前通っていた接骨院を辞めて、今回別のところを探したのですか?」
と聞くと、同業者として気をつけないといけないなと思う回答を患者さんがしてくれました。
接骨院は交通事故患者の集客に必死
「帰り際、知り合いに交通事故に遭った人がいたらすすめてください、といわれてガッカリした。」
僕も同業としてちょっと悲しくなりました。
体を傷めて凹んでいるであろう患者さんに、良くなってからならまだしも、特に改善していないうちに知り合いを紹介してほしいと頼む。
これってどうなの?
さらにこの患者さんは僕に尋ねてきました。
「先生、なんで接骨院は交通事故の患者さんばかり集めたがるんですか?」
当然の疑問だと思います。自分が治ってないのに知り合いを紹介してくれと頼み、さらに交通事故に遭った人という限定までつけて依頼しているのです。
僕はこう答えました。
「交通事故の患者さんは単価が高く自己負担なしで慰謝料ももらえるので通ってくれる確率が高い。接骨院からしたら正直儲かるので交通事故の患者さんを集めようとする接骨院は多いと思います。」
そんなだからリピートされない
結果的にこの患者さんは以前行っていた接骨院を見限ったわけです。
理由は治療の成果が出なかったとこもあるかもしれませんが、ガッカリしたとお話いただいたことから不信感を持ったことが受け取れます。
それでネット検索して僕のことを見つけてくれたんですね。
患者さん曰く、
「どこの接骨院のホームページも交通事故のことばっかり書いてあった。」
たしかに。接骨院のホームページって交通事故について書いていないほうが珍しいかもしれない。
僕は交通事故の患者さんはあまり相手にしたくないので、ホームページで交通事故についての記載を極力していません。
一行くらいかな。交通事故についての記載は。だってあんまり来てほしくないから。一応案内はするけど事故患者さんがメインじゃないので。
この患者さんが以前通っていた接骨院はこの点で大きなミスを犯しました。
このミスがなにかわかりますか?先生。
交通事故の人を紹介してくれ、って言ったことじゃないですよ?
正解は、
患者さんの気持ちを考えなかった。
こっちです。
紹介を頼むのは患者さんが満足してから
患者さんは自分の体や今の状態をなんとかしたくて接骨院や整体を利用します。
交通事故に遭った知り合いを紹介したくて利用するわけではありません。
この方だって腰が痛くてなんとかしてほしかったはずですから、自分の腰が治ってから「誰か紹介してください」と言われたら気持ちよく知り合いにすすめたかもしれませんよね。
結果、事故患も来ないし患者さんを一人失ったわけです。
おかげで僕のようなものに患者さんが回ってくるのでありがたいのですが、商売っ気むき出しで初っぱなから紹介を頼むのは賛成できません。
今回この患者さんのおかげで改めて相手の気持ちを考えて仕事をすることが大切なことがわかりました。
患者さんに紹介を依頼することは悪いことではありません。こっちだって事業ですから新規顧客を増やさないと事業を継続できません。
でも、患者さんの気持ちを無視して紹介を依頼するとマイナスになることは避けられないと思います。
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