先生の接骨院に「医療等の状況」という紙、患者さんが持ってきたことありますか?
僕も昔よく書いてました。
「なんで文書料もらえないんだよ、、、」と思いながら。
当時は調べたことがなかったので今回は調べてみたら、基本的には無料ですが有料の場合もあるようです。
医療等の状況とは?
知らない先生もいると思いますので簡単に解説しておきます。
「医療等の状況」は学校等の管理下で起きた事故やケガ等の災害に対して共済給付するための用紙です。
「医療等の状況」は学校で患者さん(もしくは保護者)に渡され医療機関で必要事項を記入後、学校から教育委員会、教育委員会から日本スポーツ振興センターへ送られ審査の上、決定した給付額が保護者に支払われます。
要するに日本スポーツ振興センターがやってる保険と思えばいいですね。
なぜ文書料が無料なのは慣例
いくつかの教育委員会や自治体のホームページで確認したところ「医師会等の特別の配慮により無料」とか「大半の医療機関で無料」と記載があります。
僕も以前よく患者さんが用紙を持ってきたときに「なんで無料なんだよ」と思いながら、「でもそういうものだから」と無料の理由を考えたことがありませんでした。
それで今回複数の機関の記載を調べてみたのですが「特別の配慮」のようですね。
要するに「慣例」というわけです。
また「大半の医療機関で無料」や「有料の場合もある」などの記載も見受けられることから、全ての医療機関で無料というわけでもないようです。
あくまで慣例なので独自の判断で有料にしている医療機関もあるのでしょうね。
市や区の災害給付についてのページには「医療機関側に配慮して記入をお願いしてください」的な記載も見られました。
これは僕の解釈なのですが、おそらく「タダで書類を書いてもらうんだから、患者さんも医療機関に少しでも気を遣ってくださいね」ということだと思います。
慣例でやっていることですから団体側(書く側)から「無料で文書作成するのはやめます」と一言出てしまえば、以後は有料になります。
証明書類は有料で発行することが普通ですから医療費等の状況だけ無料なのはおかしいといえばおかしいです。
それでもって過去の偉い人たちが作り、今の偉い人たちが維持する「慣例」には現場レベルだと手間はあってもメリットはないわけです。
有料のところもあるようですから、無料でやっているのはもう優しさとしか言えないんじゃないでしょうか?
だから文書料が無料の状態を維持できるようみんなで配慮しましょうね、といったところでしょう。
医療費等の状況初心者の先生へ
医療費等の状況を書いたことがない接骨院の先生のために、簡単に流れを書いておきます。
- こどもが学校でケガをした
- こどもが接骨院に行った
- こどもが教員から「医療等の状況」をもらった
- こどもが「医療等の状況」を接骨院に持ってきた
- 接骨院が「医療等の状況」に必要事項を記載してこどもに渡した
- こどもが「医療等の状況」を学校に提出した
- 書類は学校→教育委員会→日本スポーツ振興センターへ
- 提出された書類が審査され給付金額が決定される
- 保護者の口座へ給付金が振り込まれる
接骨院の先生がやることは5番の部分だけです。書類に必要事項を書いて患者さんに渡す。これだけです。
医療費等の状況記載時の注意
レセコンで該当する患者さんの番号を入れるとすぐに書類ができあがる場合がありますが、負傷箇所に学校でのケガ以外の負傷が混じっていなければそのまま印刷して問題ありません。
家で負傷したケガなどはスポーツ振興による災害共済の範囲外です。あくまで学校で認められたケガのみに対して書類作成を行いましょう。
僕の場合もレセコンで書類を作るので、患者さんが持ってきた用紙は使いません。手書きよりも印刷のほうが手間がないのでそうしています。
持ってきてもらった用紙は患者さんに処分してもらうようお願いして、新たに必要事項を記載済みの医療等の状況をお渡ししています。
新しく用意したものを学校に提出してもらって戻ってきたことはないので、様式さえ間違っていなければ問題ないと思います。
もちろん手書きしたい先生は手書きで構いません。ただし不備等があった場合は最終的に給付が遅れてしまうので間違いのないよう十分注意して記入してください。
手書きの場合、用紙が柔道整復師用であることを確認しましょう。
学校での負傷しか補償されません。他の負傷をあわせて記載しないようにしましょう。
施術をするのも施術を受けるのも、書類を無料で書いてもらうのも、信頼関係というわけです。
医療等の状況を依頼された先生は是非不備のないよう注意して文書作成をしてみてくださいね!
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