「辛い症状を一刻でも早く治したい」と誰しも思うものですよね。
でもそんなにすぐに治るものでもありません。
その説明をしっかりしないとせっかく良くなるものを患者さんが諦めてしまいます。
患者さんは腰も膝も肩もすぐ治ることをちょっと期待している
「腰が痛い」
「膝が痛い」
「肩が凝る」
接骨院や整体院であれば死ぬほど聞く言葉だと思います。挨拶みたいなもんです。
特に初回の患者さんの場合、先生に自分の状況を伝えないといけませんから、必ず「◯◯が痛い」「◯◯が変な感じ」などと言われると思います。
その中で結構な割合で❝すぐ治る❞ことを期待している患者さんがいます。
もちろん先生が即効治せるのなら問題なしです。
ホームページに書けばいいし、すぐ治せることを広告などでアピールしてもいいでしょう。
しかし現実的に100%すぐ治せるということはありえません。
僕自身は悲しいかな自分の限界を知っていますので、すぐ治せるとか一回でとか即効とかいうことを売りにしていません。
逆に「すぐ治りません」というマーケティングをしています。
すぐ治るところを探している患者さんは僕みたいなもんを選ばないでしょう。
ところが患者さんは多くの方が「すぐに治ることはないだろうけど、それでも早く治したい」から、早く治してくれそうなところを探しているのだと思います。
やっぱりみんな即効を求めているわけですね。
で、どういうわけかすぐ治る系のことを書いていない僕のホームページを見てそういう方が来ちゃうわけです( ;∀;)
症状の一般的な経過を話しておくだけでもOK
即効を求める方が来院された場合、というより初めて来てくれた方には今回の負傷(もしくは不調)がどういう経過をたどる可能性があるか説明する必要があります。
経過はあくまで個人差があるので確実とは言えませんが、ある程度参考にはなります。
「一般的には◯◯週間程度かかることが多いです」
のような言い方でもいいので一言伝えておけば、すぐ治りませんか?みたいな患者さんも
「そっか、そりゃそうだよね」
と納得してくれる方が多いです。
口コミなどで良い評価が多いと、すぐ治すことを売りにしていないのにすぐ治るのを期待して来る人は結構います。
そういった患者さんはきっと自分の頭の中で、
「この先生は評価が高いからよそよりは早く治してくれるだろう」
と過大評価してくれているのだと思いますが、治癒や解決について一言言っておかないと先生側と患者さん側で方向性が変わってきてしまいます。
ですからできるだけ早い段階、できれば一回目で今後の症状の経過は予想や一般論でもいいので伝えておくべきでしょう。
経過を説明して未来を見せる
先日も新規の患者さんに経過について話してみたら、
「そりゃそうですよね~」
と、しみじみ言われました。
ぎっくり腰の患者さんだったのですが相当に痛みが強く、歩くのも困難なわりに、すぐ痛みが取れるつもりでおられました。
そこで一般的にぎっくり腰の人がたどる経過を詳しくお話したところ、
「これだけ痛いんだから今日中には無理だよね(笑)」
と半ば諦めながら納得してもらえました。
経過をお話することは、不確定ながらも少しだけ未来を見せることになりますから、説明を受け入れてくれた人はとりあえずは安心します。
みんな不安だから「すぐ治したい!」とないものねだりをしてしまうのかもしれませんが、治療院系の仕事は形があるものを売っているわけではありませんのできめ細やかな説明がとても重要です。
時間が必要なときはしっかり伝えて、より良くできるように患者さんに理解してもらいながら施術できるように心がけましょう!
コメントを残す