整骨院の保険が使えなくなる?償還払いになる対象は?

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今まで整骨院で窓口分だけを支払えばよかったものが、令和4年6月1日から償還払いになる可能性があることについて解説したいと思います。

ちなみに全ての患者さんが対象ではありません。一定の条件に当てはまった患者さんが対象になるのですが、対象になると今までの支払い方法とは違うので、かなりめんどくさいです。

償還払いになってしまっても元に戻す方法もあるので、対象になった人、なりそうな人は最後まで読んでいただければ幸いです。

 

「償還払い」ってなに?前と何が変わるの?

まず、一般の患者さんは「償還払い」と言われてもピンとこないと思います。3割負担の人の例で説明します。

普通、整骨院で保険を使うと窓口負担分の3割を整骨院で支払って、あとの7割は保険者から整骨院に支払われます。これを「受領委任払い」と言います。

「償還払い」とは簡単に言えば、「一度整骨院に全額(10割)支払って、あとで7割戻ってくる仕組み」と理解してよいでしょう。

これまでは3割を窓口(整骨院)で支払えばよかったものが、償還払いになると10割支払うことになります。

その後、患者さんが保険者に「7割戻して~」という申請をします。患者さんからすれば、かなり手間が増えることになるので、今までとは大きな違いと言えます。

 

償還払いの対象になる人

では令和4年6月1日から、どんな人が「償還払い」の対象になるのでしょうか。

 

自己施術分の保険請求を行った患者

整骨院の先生が自分のケガを自分で施術して、保険請求を行った場合対象になります。一般の患者さんには関係ありません。

 

自家施術を繰り返し受けている患者

整骨院の先生の家族または従業員などが、その整骨院で複数回施術を受けている場合が対象です。これも一般の患者さんには関係ありません。

 

保険者の問い合わせに回答しない患者

整骨院に通っていると、保険者から問い合わせの文書が送られてくることがあります。この問い合わせを無視し続けると対象になる可能性があります。これは一般の患者さんに関係あります。

厚生労働省からの通知では、「保険者等が、適切な時期にわかりやすい紹介内容で、繰り返し(複数回)患者照会を行っても回答しない患者」とありますから、何度も照会状が届いているのに回答しない場合は対象になると考えてよいでしょう。

 

複数の施術所で同じ部位の施術を重複して受けている患者

例えば腰を傷めたときに、整骨院A、整骨院B、整骨院Cなど、いくつもの整骨院に腰を施術してもらった。こんな人は対象になると考えられます。

時期がずれていれば違う整骨院にかかることも考えられますが、同じ時期に同じ部位を複数の整骨院で施術してもらっているという患者さんは対象になる可能性があります

 

全ては「保険者」の判断次第

一般の患者さんが対象になるかもしれない状況は、保険者からの繰り返しの問い合わせに回答しない場合複数の整骨院で同じ部位の施術を受けた場合ということはおわかりいただけたと思います。

とはいえ、これらに該当するかどうかは保険者判断となります。また保険者によって基準も違うので、あてはまったとしても償還払いになるかどうかは保険者から通知が来るまでわかりません。

 

償還払いになる人は通知される

もし償還払いになった場合、整骨院に行って「10割お支払いください」と急に言われるわけではありません。

  1. 対象になると患者さんと整骨院の先生に「償還払い注意喚起通知」が保険者から送られます。
  2. 「償還払い注意喚起通知」が送られても翌月以降同様の保険請求がされた場合、保険者が患者さんに対して事実関係を確認します。
  3. 保険者がその後の施術の必要性を患者に確認する必要があると判断した場合、患者さんと整骨院の先生に「償還払い変更通知」が送られます。

 

・それでも整骨院を利用する場合

整骨院に10割支払ったうえ自分で7割を保険者に請求します。

・他の整骨院に行く場合

「償還払い変更通知」を新しく行く整骨院に提示しなければなりません。

上記二点は保険者から指導されます。

文書での患者照会に回答しないと?
文書だけでなく電話や面会で通知されます。

 

患者さんと整骨院の先生双方が償還払いになったことを知らない、なんていう状況にならないように、何段階かにわけて通知があるようです。

整骨院側は「償還払い変更通知」が届いた翌月以降は受領委任払いができなくなるので、保険請求もできなくなります。

 

受領委任払い(元の支払い方)に戻したいときは

一旦整骨院に10割支払って、あとで7割を患者さんが保険者(保険組合など)に請求する面倒な「償還払い」。

もともとの「受領委任払い」に戻すためには、保険者の判断が必要となります。保険者が施術の必要性を個々に確認する必要がないと判断した場合、受領委任払いに戻すことが可能とされています。

ここでも保険者判断とされていますから、ケースによって保険者によって違いがあると思いますが、該当した状態の解消が必要となります。また判断は「状況に応じて定期的な確認」とされていることから、定期的といってもどれくらいの期間かなども保険者の裁量に委ねられています。

保険者判断で受領委任払いが再開される場合、今度は「受領委任払い再開通知」が保険者から患者さんに通知されます。この通知を整骨院に提示することで晴れて元の支払い方(受領委任払い3割だけ窓口負担払うシステム)に戻るという流れです。

 

まとめ

今までの普通の払い方である「受領委任払い」から、「償還払い」になると何かと面倒だということはわかってもらえたと思います。

一般の患者さんが気を付けなければいけないポイントはずばり、償還払いの対象にならないようにすること、でしょう。

万一、償還払いになってしまったとしても、元の受領委任払いを再開する道筋も一応示されています。しかし何事も保険者判断ですから保険者(保険組合など)に施術の必要性を認めてもらわなければなりません。

ひとまず、①同じ部位で色々な整骨院を掛け持ちしない、②保険者からの問い合わせにはその都度回答する。一般の患者さんはこの二点を気を付けましょう。

 

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何年もかけてゆっくり保険中心の接骨院から自費施術中心の接骨院に移行した人です。 自費移行したい接骨院の先生を過去の自分だと思って応援してます。でも基本的に日々のことを書くので普通の人の雑記の日記です。
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